中古・オークションでケロシンランタンを買う時の注意点やポイント
optimus1200M オーソドックスなタイプ。
ケロシンランタンを中古で買うという事
ケロシンランタン・ストーブにハマってしまいました。
いろいろ魅力はありますが、
自分にとっての魅力は、何といっても「トライ&エラー」という苦労して点灯させる喜び。 これだったんですよね。 ぱっと見綺麗でも中のパッキンが劣化していて点灯が安定しなかったりするわけです。 特に「ついたー!」からの、「30分後の炎上」がたまらんですね。
「な、なにいいいいい!?なぜだ・・なぜなんだぁぁぁ!!!」っていうのがイイんです。
たまたま最初に手にしたのが手ごわかった説もありますが、この出会いがここまで熱くさせました。
さて、メンテナンスする為には、また追加でパッキン等の部品を購入しなくてはなりません。
そうなのです、貴方がヤフオクで中古ランタンを選ぶ時にいくらまで出すか?
そこには「メンテ代は追加でいくらかかるのか?」も考慮しなくては結局の価格は分からないのです。
つまり、点灯確認済みと、点灯未確認のものでは後にかかるお金が違うよ、それはいくらくらいなの? というお話です。
ケロシンランタンの消耗品リスト
ケロシンランタンを購入したけど、上手くつかない・・何を交換すべきでしょうか?リスト化してみました。
商品名 | 説明 | 参考価格 |
---|---|---|
NRV(ノンリターンバルブ) | ポンピングする奥に入ってる「逆流防止弁」。この中に入ってる小さなゴムパッキンが劣化していると圧がかからない。 一時的に圧がかかっても圧漏れの犯人の可能性も。 ゴムパッキン自体を交換すればよいが結局同じくらいかかる。 | 400円 |
NRVを外す特殊工具 | マイナスドライバーで外すタイプなら良いが、特殊な形をしたやつと2種類ある。 | 1000円 |
ニップル | 灯油がジェネレーターを通って、最後に噴射する先端の部分。炎上の原因ではあるある。 | 1000円 |
クリーニングニードル | なくても最初は点灯するのであまり重視していませんが、詰まりを防止する。 | 800円 |
ポンプカップ(革の) | 油をさせば意外と交換しなくてもいけますが、替えると気持ちがいい。 圧がかからない犯人と間違われがち | 250円 |
燃料キャップのゴムパッキン | フィラーキャップパッキン・エアスクリューパッキン等呼び方は様々。 | 300円 |
ジェネレーターの一番下のゴムパッキン(逆流防止) | 80年代後半くらい~?はジェネレーターの下の部分にゴムパッキンがかまされてます。現行のペトロマックス・中華系は全部このタイプかな。 これが劣化しているとポンピングすると燃料が出ちゃう。 | 300円 |
グラファイトパッキン | バルブホイール(燃料を出すときに回す所)とジェネレーターの間くらいの隙間を埋めるやつ | 500円 |
タンクの鉛パッキン | タンクとヴァボライザーの間のパッキン。 | 300円 |
セラミックノズル | マントルを取り付ける穴が沢山開いてるやつ。割れたりしてたら交換 | 1000円 |
余熱バーナーのパッキン | 下手にいじって鉛パッキンが無くなったらココも交換 | 300円 |
マントル | おまけでついてる事がある | 100円 |
合計 | 6250円 | |
おまけ | ||
プレヒートカップ | 余熱用のカップ | 1500円 |
グローブ | よく見たら無いって事も。 | 3000円~6000円 |
ジェネレーター | 使い込むと熱で曲がりがち。ガスケットが使えないので最悪交換も | 8000円~ |
と、こんな感じです。 ※各部位の詳細や、取り外しに必要な工具については、今度ケロシンランタンメンテナンスの記事で書きます。
今回は、点灯確認済みじゃないの買うと追加でこのくらいかかるかもよって話です。
さらに1個200円といっても、5個で1000円という売り方をしていたりするし、送料もかかるのも考慮しましょう。
ちなみに、この中で特に交換が必要そうなのはNRVが第一位でニップルが第二位です。 次がタンクのゴムパッキンかな。 グラファイトパッキンは買ったけど一度も使った事ないです。 これってストーブ用なのかな?
ちなみに、各パーツを外すのにも工具が必要です。 レンチのセット等も必要です。
ペトロマックス500HKと同じラインなら安価でメンテ
ちなみに、ペトロマックス500HKや、バタフライ・シーアンカー等の500cpサイズのものは中国で今も生産されているのでヤフオク等でパーツを安く販売している為、500cp用の部品は安く手に入れる事が出来ます。
私はサイズ感から200~350cpのものを今までよく触ったので、「500cp用のは安くていいいな・・」と思う事が多々あります。
練習として最初に手にするのがビンテージの500cpというのはなかなか良いチョイスかもしれませんね。でかいけど。
ヤフオク等で買う時の注目ポイント
さて、ではヤフオク等に出品しているケロシンランタン、どこに注目するか?何を質問するか?を考えてみましょう。 この記事ではお金の面、入札価格に重きを置いていますが、単純に苦労するのは嫌だぜっていう方も注目です。
点灯確認済か
これは先ほど書きましたね。
トライ&エラーを楽しみたいという人は逆に未確認で安い方が良いわけなのでどちらにしてもポイントです。
点火未確認なら3000~5000円くらい追加でかかるかもよって思いましょう。 これがこの記事のメインです。
圧がかかる・燃料漏れがない所まで確認済みまで書いてある場合は、ニップル交換程度で済みそう。 ニードルの針が死んでたらさらに1000円くらい追加。
出品者が点灯確認済みなら知識もあるので購入後に質問をする事が出来ます。 「私はよくわかりません、ジャンクです」って物とではアフターケアも変わってくるわけです。 もし慣れていない方ならこれは決定的な事です。
部品の欠けを確認する
例えばこんな状態で出品されていたとして、
・ノズルがないやんけー! 1500円は意味なく飛んだ!
・ガスチャンバーもないやんけ!
・プレヒートカップないやんけー!
・ニードルが折れてる~!
って事が実際にあります。 そういうのはすっかりあるものだと思いがちですが、年月を経てますからパーツ取りされてたりって事もあります。 中古のバイク(ジャンク)なんかもそうですよね。
ニードルはこの部分です。 この穴が詰まりがちなのでクリーニングすべく針がついてる。 ちなみにニードルは折れていても点灯は出来ます。栓ではありません。※2017/3/2追記:物によっては栓(消化)の役割を担ってるかもしれません。
ニードルは1000円~1500円くらいする。
写真で分かりづらい場合は質問しましょう。
意外と欠けがちなのは上記4点と、初歩的な所でグローブです。(透明なので疑わなければ気づかない事がある)
ヴァヴォライザーの状態
後は、ヴァヴォライザーが使い込めば使い込むほど熱で曲がりがちなのでここの状態は割と要チェック。 まあ点灯すればいいんですけどね。
ちなみに、ここにはガスケットをかませないのでここの写真を載せているのはかなり良い。(あまりいないでしょうけど)
フロストグラスの場合は特に見えないので注意です。
グローブはオリジナルか
グローブ(ガラス)は割れやすいのでオリジナルかどうかでかなり価値が変わってきます。
オリジナル(購入時からの物)と、メーカー純正の物を後で替えたもの、社外品の3段階に分けられます。 オリジナルはかなり貴重です。
よくわからない場合は、とりあえずmade in 「west」 germanyならOKくらいに考えておきましょう。
ガスメーターはしょうがない
ガスメーターがしっかり機能するのはかなり良好。 動くけど値は曖昧ってのがスタンダードです。
NRVがなめてて外せないと地獄
もう一点、ストーブの方で実際にあったのですがポンプカップの奥にある、NRVの先端がなめてて工具を使っても外れないとなると、もうお手上げ。 固くて外れない場合はまだなんとかなりますが、「先端がなめる」これだけはもうどうしようもない。 すごく奥の方にいますからね。
その場合は、
http://oldcampstove.com/SHOP/81858/81860/list.html
病院送りとなります。 送料を含めると4500円くらいです。
まあ中に埋まっている物なので劣化しづらく、頻繁に開け閉めするものでもないので割と外れますが一応。
オーバーホールしてNRVを交換しましたとか書いてあるあるやつはGOODなのです。
同じモデル名でも価値は異なる
後は、同じモデル名でも年代により異なり価値も変わってくるので、過去の落札相場を信頼しすぎないように。 「ここまで出しても良い」という価格が間違っている可能性があります。(低く見積もる分にはいいけど高く見積もりすぎている場合があります)
謎の商品は買わないよう注意
この前、ペトロマックスやオプティマス等のパーツを合わせて一つにしたようなのがヤフオクで「ペトロマックス」って出品されてて高値がついていたんですね。 (別のオークションからの転売なのである程度詳細は知っているのです)
まあ見た感じどのパーツもビンテージっぽかったので、見た目がカッコよくて競っただけならいいんですけどね。 説明不足が功を奏したのか、カスタム品という記載もされていなかったので「なんだこれ、ペトロマックスでも見た事ないレアものだぞ」って思って高値がついたのだとしたら何だか残念ですね。
ゴールドかと思ったらクローム(シルバー)だった
ブラス(ゴールド)の方が人気は高いように思います。
光の加減でゴールドのように見えるものがあるので注意しましょう。
ちなみに上の写真はクローム(シルバー)です。
古い方が逆に調子いい事も
後は、古い時代の方が逆にシンプルで好調という一面があります。
optimus1200後期のは苦労しましたが、このoptimus930は苦労知らずで一発点火でした。
パーツを分解しても余熱バーナーは無いしヴァヴォライザー下のパッキンも無いし、圧力メーターも無いし、シンプルなのです。また、ドイツやスゥエーデンでちゃんと作られてたという事もあります。
まあその分、大体値段は上がるのですが、一応。
真鍮は磨けば簡単に光る
真鍮製品は磨けば光ります。 なので、光っているからといって状態が良いとは限りません。
もう一点、時代によってはラッカー塗装っていうんですかね? 上の画像が分かりやすいかな。
ブラスの上に透明のクリヤ塗装みたいなのがされてて、これが剥がれたり剥がれてなかったり・・という状態のやつは、ピカールで磨くだけじゃ綺麗になりません。(上の写真だとかさぶたみたいなのが残る) 参考URL(トランペットのラッカーを剥がそうとしているけど完全に綺麗になっていないやつ)
この場合は、グラインダーで研磨をかける等のネクストステージに突入です。
ヤフオク等のオークションで買う時のまとめ
という事で、街で見かける事は殆ど無いし、ビンテージ品を探すならオークションって事で利用する際の注意ポイントでした。 専門ショップの場合は燃焼に責任が生じるので高め・オークションは無責任なので安めという面があり、メンテを自分でするならオークションがかなりお得という事を理解しましょう(逆に言えばハズレを引く可能性があるという事)
感覚的に、正直に「炎上します」と詳しく書いてあるよりは、「ジャンクで未確認」と大雑把に書いてある方が(ちゃんと点くかも・・)という期待からか値段が上がる傾向にあるのがおかしいなって所なのです。
炎上するところまで行く方が圧が多少はかかっているわけだし、その際に燃料漏れも確認できている事になるのでそっちの方が「あと一歩」なんですよって事が一番言いたかったのです。
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